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財務会計

2019年9月19日 (木)

望月実他『最小の努力で概略をつかむ! IFRS決算書読解術』阪急コミュニケーションズ

IFRSでは、投資家の意思決定情報として有用なキャッシュ・フローを生み出す能力を重視しています。

IFRSで利益概念が当期純利益から包括利益まで拡張した背景には、企業活動の成果を考えるときに資産及び負債の価値変動リスクを無視できなくなってきたことが大きいと思います。

IFRSでは、・・・・「税引前当期利益」が最初の利益となっています。

特別利益や特別損失には、必ずしも臨時で突発的な損益だけが計上されているわけではありません。・・・・・特別損失に含まれる固定資産除却損や固定資産売却損益などは毎期発生する方が自然です。

IFRSの連結財務諸表は「経済的単一体説」で作成されているため、・・・・・

事業会社が大大奥の現金を持つ理由としては、M&Aの機会を逃さないようにしている、・・・・・

出荷基準は「リスクと経済価値の移転」という要件を満たさないため、IFRSでは売上計上基準として認められません。

 

2019年8月27日 (火)

田中弘『国際会計基準の着地点-田中弘が語るIFRSの真相-』税務経理協会

IFRSは、会社の「即時清算価値」、つまり、どこかの会社を買収するときの「買取価格」を計算するものです。

IFRSは、連結財務諸表に適用するために開発された基準です。

連結も単体もIFRSで対応しているのはイタリアなどの少数の国だけであり、ほとんどの国は連結にIFRSを適用していても個別財務諸表(単体とも言います)には自国の会計基準を適用しているのです。

「金づくり」の会計(IFRS)は、「ものづくり」の会計に適さないのです。

日本企業が・・・内部留保してきたのは、一つには研究開発のための資金を用意するためだったのです。もう1つは、不測の事態に備えるためなんです。

プロテスタントでなかった人はたった一人しかいない。ケネディ大統領です。

「国際会計基準」・・・・・中身は実はヨーロッパ基準です。

日本もアメリカも細かいルールを決めて決算をやるので原則主義的な考え方ではありません。

国際会計基準は、もともとはIASという名称でしたが、イギリスが主導するようになってイギリスの会計基準の名称であるFRS(財務報告基準)を使ってIFRSにしました。

世界の会計というのは、イギリスで生まれてアメリカで育って日本に伝播した来た会計です。

ドイツはコンツェルンの国でどちらかと言うと、コンツェルン企業グループの中で資金やものを効率的に運用するための会計です。今でいうと管理会計に近い会計が行われています。

フランスの会計は国家会計です。国が計画している経済計画に必要な情報を出させる会計。プラン・コンタブルと言っていますけれども、非常に画一的な会計をやっています。よく「大統領のための会計だ」とおっしゃる方もいます。

アメリカにしてみたら、ヨーロッパを疲弊したままに放置すればソ連によって共産化されてしまう。それを恐れたアメリカは、マーシャル・プランという名の欧州復興計画を立てて、ヨーロッパの救済に走ります。

イギリスはもともと細かいことを決めない国で、慣習に委ねるというところが非常に強い国なんですね。

包括利益は・・・・・実現した利益ではありません。IFRSではキャッシュ・フローの裏付けがなくても分配が可能でなくても、観念的に利益が生まれた、儲けたと言えるものを利益として報告しようとしています。

2019年8月18日 (日)

高田直芳『財務諸表読解入門 企業の経営戦略を決算書から見抜く IFRS対応』日本実業出版社

会社法は、将来株主を利害関係者とみなしていません。

最も重要なのは、キャッシュフローには「現金収入」と「現金支出」の2種類しかないことです。

キャッシュフローは現金支出か現金収入のどちらかしかないのですから、売掛金の回収を現金収入とするならば、売掛金の発生は現金支出になるのです。

現在の貸借対照表は「当期純利益」が隠されてしまっているのが弱点です。

包括利益の存在によって、益出し効果は封印されます。

当期純利益までに限っていえば、益出し操作は有効です。ところが、包括利益までになると、益出しは当期の上昇分しか反映されないことがわかります。

財務活動キャッシュフローには、1年基準は適用されません。短期も長期も十把一絡げ。八方美人で時間軸の概念を持たないのが、財務活動キャッシュフローの問題点です。

2017年5月17日 (水)

田中弘『会計学はどこで道を間違えたのか』税務経理協会

戦後、わが国に移植された英米会計について、多くの会計学者が真摯な研究を続けた結果、近代(英米)会計の理論構造や考え方がほぼ解明されたことである。

わが国の会計は、制度も基準も英米のものを「輸入」したものであるが、わが国の経済環境に合うとか、わが国の風土や土壌に適合しているという理由で輸入したものではない。

資産除去債務・・・買った資産が100億円だというのに、BSに110億円と書くのは、普通の経済感覚を持った人ならだれもが「おかしい」と感じるのではないであろうか。

「連単分離」は世界の常識である。

資産負債アプローチが底なし・上限なしの損益計上(つまり利益操作)ができるのに対して、収益費用アプローチはキャッシュ・フロー(収入額と支出額)の範囲内でしか収益・費用を計上できないというリミッターが付いている。

日本企業が内部留保を高めるのは、一つには研究開発のための資金を用意することにあり、また不測の事態に備えるためである。

アメリカでは「概念フレームワーク」には会計基準としての拘束力を与えていない。

アメリカは、日本と同様に「細則主義」、つまり、細かなところまでもルールブックに書かれないと企業の会計報告ができない。

IFRSをそのまま採用しているのは、オーストラリア、ニュージーランド、香港地区という、昔のイギリス植民地だけである。

果たして、「IFRSに準拠して計算した包括利益」は、「当期純利益」よりも経営者の儲けの実感に近いのであろうか。

「公正価値会計」といった、伝統的な会計観からかけ離れた財務報告が(金融界はともかく)製造業には向かいないことが分かるにつれて・・・・・

会社法上は、連結は個別財務諸表を補足するための「参考資料」でしかない。当期の純利益を確定したり、その利益を誰にいくら分配するかを決める情報を提供したりといった利害調整機能は連結にはない。会社法上の連結財務諸表(連結計算書類)には情報提供機能しかないのである。

2017年4月13日 (木)

全在紋『会計の力』中央経済社

構造主義は「主体」(identity)なるものの自存性を否定する。

フーコーに従えば、「権力に汚染されていない言語なし」ということになる。

人間のコトバは、自然の所産にあらず、文化の所産である。

コトバなくして知覚なし。人間はコトバを知得してはじめて外界が知覚できるのである。

資産負債観は短期利益ないし支払能力を探るのに有効である。収益費用観は長期利益や収益力を探るのに有効である。

アメリカでは、会社は株主のものである。日本では、会社は会社のものである。韓国では、会社は経営者のものである。

資産負債観に立脚する昨今の国際会計基準(IFRS)も、現に複式簿記を前提にしている。

ポストモダンに属する思想家たちの言語観ないし着眼は、基本的にはソシュールに由来している。

フーコーによると、新しい知のシステム(科学ないし学問体系)には、必ず権力の移行が伴うとされた。「知と権力は一体」だというものである。

「文化」とは、人間が「自然」に手を加えて創り出したものである。

「コトバ(言葉)なくして認識なし」。これはソシュールに始まる言語観である。

フーコーの系譜学はアンチ・ダーウィニズム(反進化論)に立っている。

チョムスキーやサイードは「人権」や「正義」などに普遍的価値(時代や社会を超越した価値)を認めるが、フーコーは普遍的価値の存在を否定する。

フーコーは、権力と一体をなす知(真理)の枠組みを、「エピステーメー」と呼んだ。

2016年11月14日 (月)

田中弘『GDPも純利益も悪徳で栄える―「賢者の会計学」と「愚者の会計学」』税務経理協会

フランスの会計は統制経済のための会計です。ドイツの会計はコンツェルンの会計なので、管理会計です。私たちが普段やっている「投資家のための会計」に向いた会計基準はアメリカと日本とイギリスでしか作れないのです。他の国は作った経験が少ないのです。

イギリスがEUから離脱して一番悩ましいのは、たぶん、フランスです。これまではドイツの独断専横をイギリスが押さえてきた経緯がありますが、イギリスが離脱するとなると、EU二七か国は、軍事的にも経済的にも政治的にもドイツの支配下に置かれるようなものです。

フランスは農業国ですから、資本市場を前提にした会計基準は作れないでしょう。

特に最近ではROE経営という経営手法もあります。ボトムラインで経営をやるというものです。ボトムラインで経営をやると、何が起きるか。それは「上からだんだんダメになる」ことです。つまり、最初に下を決めてしまうと、あとはそれに合わせて上を調整するしかないのです。

GDPの計算でも有価証券の売却益はGDPに入れません。企業の付加価値の計算でも株の売却益は除外します。

イギリス、アイルランド、イタリアの国々ではGDPに売春、麻薬といった違法取引も含めるようにしています。イタリアは密輸もGDPに含めてしまっています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンが「優先順位」としてつけた、「顧客」「仕入れ先」「従業員」「社会」「株主」という順番は、奇しくも、損益計算書の書き順とまったく同じ順番なのである。

株式価値=資本合計(OBたちを含めた過去の頑張り)+現役たちの今期の頑張り+中長期の頑張り(経営者の頑張り)

ROEは「率」であって「量」を語らない。

企業会計原則では、「区別」を「会計処理」に使い、「区分」を「表示」に使っている。

誇りを持って「これが会計のルールです」と言えるものが、残念ながら会計には非常に少ない。誇りを持って言えるとすれば、例えば、「一致の原則」とか「貸借対照表=連結環」論、「投下資本の回収余剰としての利益の計算」、「期間損益計算の原則」、「実現主義」、「貸借平均の原理」などであろうが、いずれも、国際会計基準の世界では否定されようとしている。

ルールというものは、法律にしろ会計基準にしろ、新しいことを始めるためか、これまでのことを変える(やめさせる)ために設定される。アメリカの時価会計基準は、中小の金融機関(S&L)に原価会計を悪用した経理を「やめあせるために」作った基準であるし、同じアメリカの減損会計基準は、経営が悪化したアメリカ企業がV字回復を演出するために減損処理を悪用したことから、そうした経理を「やめさせるために」設定されたものである。

2016年5月29日 (日)

小栗崇資『コンパクト財務会計 クイズでつける読む力』中央経済社

企業(enterprise)と会社(company)とは同じでしょうか。営利目的で経済活動を営む事業体のことを企業といいますが、企業には個人企業と法人企業があります。法人企業のことを一般に会社というので、企業と会社が示すものは違うものとなります。

大陸型とは、ヨーロッパ大陸で生まれた、主としてドイツやフランスに代表される経済のタイプです。それに対する英米型とは、アメリカやイギリスを中心としたアングロサクソン諸国における経済のタイプです。根本的な違いは歴史の長さにあるということができます。大陸型は長い歴史がありますが、英米型(イギリスを別として)は、新大陸でのアメリカに代表されるように歴史は浅いといえます。

時価評価が行われると、貸借対照表の利益と損益計算書の利益が一致しなくなります。・・・・・それぞれの利益は一致していますが、このような一致を「連携」といいます。複式簿記の仕組みの中では、資産・負債の要素と収益・費用の要素は連動していて、利益が生まれる過程は明らかです。そうした関係は「クリーン・サープラス」関係と呼ばれます。サープラス(剰余=利益)が見える形で(クリーンに)現われるからです。

経済学から見れば、企業に入ってくる資金はすべて資本とみなされます。・・・・・経済学ではすべての資金が資本として企業に投入されると見るわけです。

2016年5月23日 (月)

西澤健次『ホスピタリティと会計』国元書房

そもそも貨幣評価の公準は、ギルマンに由来するが、その後の会計公準においては疑義が生じている。

イールド・マネジメントは、顧客の価格に対する欲求の個人差を解消し、顧客の満足度を上げると同時に企業利益を最大化する点で、ホスピタリティ経営・会計の実践であるともいえる。

クレドとは、ラテン語でキリスト教の信条のことであるが、企業におけるクレドとは、ありていにいえば、従業員の仕事に対する心がけのことである。

茶道の「一期一会」という思想は、おもてなしの基本とされていることはよく知られている。

『資本論』それ自体が、肝心の資本を語っていないところに問題がありそうである。山本は「資本とは何であるのか、これが実はまったくはっきりしていない。マルクスは『商品論』は書いたが、『資本論』は書いていないのだ。(中略)手紙でマルクスは『資本については書かない』とまではっきりといっている。」と記している。

2016年1月10日 (日)

大日方隆『アドバンスト財務会計 理論と実証分析』中央経済社

わが国の会計学研究では、理論が偏重される傾向があるが、実証研究による検証を経ない理論は、神話、迷信、妄想などと区別がつかない。

優れた研究(論文)に必須の3要素は、

  1. 主題集約性
  2. 知的貢献(contribution)
  3. 反常識(counter-intuition)

導入(introduction)は、結論よりも重要である。

統計的分析は、「関連性のもっともらしさ」を確かめるものであり、「因果関係のもっともらしさ」を確かめるものではない。

仮説検証は、一般に、帰無仮説が棄却できるか否かの確認を通じて行われる。

海外の著名な研究者の論文と同じ統計技法を使っているからといって、正しい適用の証明にはならないことに注意したい。

会計利益は、名目資本維持と実現基準の組み合わせによって計算されているわけである。

今日の企業会計はこの名目資本維持会計に属していると考えてよい。

実現の概念は、いつ年度利益に算入するかという「利益の年度帰属」を決める概念であり、利益がいくらかを決める概念ではない。

資産負債アプローチを重視する姿勢は、繰延項目の貸借対照表への計上をできるだけ排除しようとする数々の会計ルールに明瞭にあらわれている。

既知の体系からは合理的に説明できない現象は、一般にアノマリー(anomaly)と呼ばれる。

2015年11月 2日 (月)

田中弘『「書斎の会計学」は通用するか』税務経理協会

傘は通路側に置く

エドワーズとベルの話は、会計ではないですね。

学術書・研究書の場合は、初版の印刷は1,500冊が普通で、それも三年程度で売り切れるものでなければ、在庫の山を築いてしまう。

佐藤先生が山下先生に向かって「山下さん、会計には利害調整なんていう機能はないんだよ」

会計は政治だ

財務諸表作りの財務諸表知らず

日本の会計学会がいかに子供じみているか、自分だけが頭がいいと信じている者が多いか・・・

布団と翻訳は叩けばホコリが出る

武田教授はここで「財貨」という言葉と「貨幣」という言葉を使っているが、「財貨」といえば「財」と「貨幣」を合わせた表現であり、・・・・・。正しくは「財の流れと貨幣の流れ」というべきではなかろうか。

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