曽根康正/白木智巳『大倒産時代の会社にお金が残る経営』明日香出版社
破産会社の決算書の6つの特徴
- 3年前からキャッシュ残高が減少している
- 売上の10%以上を一つの取引先が占めている
- 実際に貸倒れがある
- 節税好き
- キャッシュが少ない
- 気がついていない
キャッシュが増えるかどうかは、【当期利益+減価償却費ー負債の1年間の借入金返済元金>0】
年間粗利益に一番広賢しているものから上位2割の、
- 商品は何か
- 種類は何か
- お客様はどうのようなお客様なのか
- 店舗はどこの店舗なのか
破産会社の決算書の6つの特徴
キャッシュが増えるかどうかは、【当期利益+減価償却費ー負債の1年間の借入金返済元金>0】
年間粗利益に一番広賢しているものから上位2割の、
営業CF 投資CF 財務CF
資金繰りに苦しんでいる会社 - + +
飛ぶ鳥を落とす勢いの会社 + - +
現金が余っている会社 + - -
■借入返済可能年数=借入金等÷(経常利益÷2)
■「返せる? 返せない?」を見る基準
「税引後利益+減価償却実施金額」の何倍の融資残高があるか?で決定される。一般的には無担保なら10倍以上あると返済困難とみなされる。
■理想の利益額
融資の年間返済額<税引後利益+減価償却費
■融資限度額は平均月商の3カ月分
■経常利益+減価償却費=1年間の返済能力(100)
返済期間を5年と考えるのであれば、5年×100=500の融資が可能と金融機関は判断します。
■間接法による場合は、税引前当期純利益に下記の調整を加えることによって営業活動によるCFを算出する。
■「営業活動によるCF」を表示するに当たっては、「営業活動によるCF」において区分表示を行い、本来の意味での営業活動によるCFを表示する必要があると考えられる。このため作成基準注解において、それを“小計”をもって表示することが示されている。
■小計欄の上に「受取利息及び受取配当金」や「支払利息」の項目が示されているが、これらはPLに計上されている発生ベースの金額を意味する。また、小計欄の下に「利息及び配当金の受取額」や「利息の支払額」の項目が示されているが、これらはキャッシュ・ベースの金額を意味する。
トーマツ『キャッシュ・フロー計算書作成実務と経営管理』
中小企業でも簡単に算出できるFCF=他人依存度確認術があるのです。
キャッシュと借入金の情報があれば、なんと、中小企業版のFCFを算出できます。
それは、
FCF=営業CF+投資CF=キャッシュの増減額-借入金の増減額
例えば、期首(300)と期末(200)のキャッシュの差額が(-100)で、借入金の増加が(700)だった場合、FCFは、-100-700=-800となります。
FCF(-800)に借入金の増加(700)を加味すると、キャッシュの増減額は(-100)。期首(300)にキャッシュの増減額(-100)を差し引くと、期末のキャッシュ(200)。
すばらしい。
営業利益+減価償却費-法人税等=営業CFの概略
この計算結果が営業CFと大きく違うならば、ほかに何か異常性をあらわす売上債権・棚卸資産・買掛金などに著しい変動がある可能性が高いので、それを疑ってみる。
柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』
【危険度0】営業CFの黒字が、PLの営業利益に近い水準
【危険度1】営業CFの黒字が、PLの営業利益の半分以下
【危険度2】営業CFが赤字
【危険度3】営業CFが2期連続赤字→イエローカード
【危険度4】営業CFが3期連続赤字→レッドカード
柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』
投資CFを見るときの最大のポイントは「未来投資」をしているかどうか。
投資CFの中にある「有形固定資産の取得」と営業CFにある「減価償却費」を見比べるのです。そして、「有形固定資産の取得≧減価償却費」になっているかどうかを見るのです。
なぜなら、普通は、減価償却費分くらいは、再投資を行わないと、企業は現事業の維持すらおぼつかないからです。もちろん、単年度だけで判断することは難しいのですが、長期にわたって減価償却費以下しか有形固定資産の取得を行っていないとすると、現事業はジリ貧ということになりかねません。さらに、有形固定資産の取得には土地の取得も含まれますが、土地は減価償却をしないので、機械などの価値の目減り分よりも、土地を含めた有形固定資産の取得額は大きくなりがちです。
小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』
■資金増減原則
《営業資金の第1原則》
営業資金は利益で増え欠損で減る
《営業資金の第2原則》
非資金費用は営業資金を増やす
《営業資金の第3原則a-1》
売掛金の増加は営業資金を減らし、売掛金の減少は営業資金を増やす
《営業資金の第3原則a-2》
受取手形の増加は営業資金を減らし、受取手形の減少は営業資金を増やす
《営業資金の第3原則a-3》
在庫の増加は営業資金を減らし、在庫の減少は営業資金を増やす
《営業資金の第3原則A》
狭義の流動資産の増加は営業資金を減らす
本来の営業活動によって発生した現金預金以外の流動資産を狭義の流動資産
《営業資金の第3原則b-1》
買掛金の増加は営業資金を増やし、買掛金の減少は営業資金を減らす
《営業資金の第3原則b-2》
支払手形の増加は営業資金を増やし、支払手形の減少は営業資金を減らす
《営業資金の第3原則B》
狭義の流動負債の増加は営業資金を増やす
本来の営業活動から発生した流動負債を狭義の流動負債
《営業資金の第3原則》
狭義の運転資本の増加は営業資金を減らす
■運転資金をラクにする要因、苦しくする要因
資金増減原則を整理してみると、次の三つのブロックに区分することができます。
資金をラクにする要因
資金を苦しくする要因
後藤弘『資金繰りとキャッシュ・フロー計算書』、青木三十一『「資金繰り地獄」から抜け出す本』
■フリー・キャッシュ・フローの定義
1.営業CFから、投資CFのうち現事業維持のための投資を差し引いたもの。投資CFのうち、どの部分が現事業維持のためのものか不明であるため、営業CFから投資CF全体を差し引いたものをFCFと呼ぶことがあります。(都井)
FCFの概念には定説がない。議論の中心は、生産能力維持のための設備投資と戦略的な投資に区分すべきか否かである。つまり、厳密に考えれば、生産能力維持のための投資は企業を存続するために避けられない投資であるのに対して、戦略的な投資はFCFの使途として位置づけるべきだということになる。ただ、生産能力維持のための投資額はCF計算書からは知り得ない。そこで、厳密性には欠けるものの、その代理変数として投資CFを用いることがある(櫻井)。なお、投資には、「戦略的」投資と「財務的」投資があり、その両方が投資CFに現れます(小宮)。
2.営業CF+投資CF。自由に使えるお金の額。会社の中長期的な力を見ることができる。(山田真)
+となっているのは、つまり、CF計算書では現金の流入がプラス、流出がマイナスで表記されるので、設備投資などの投資CFは通常負の値をとるため。(山田昌)
3.営業活動CF-不可避のキャッシュ・アウト・フロー。「企業が設備投資計画を練るにあたってはFCFの範囲内で行え」という金言がありますが、正確には、「設備投資を行うにあたっては、その翌年以降、FCFがプラスを維持できるものでなければならない」とする必要があるのです。これはまた、設備投資を行う初年度において、FCFを議論しても意味がない、ということに繋がります。(高田)
不可避な出費項目が何を意味するのか、それは企業ごとに異なる。経営上の力点の置き方によっても異なってくるし、分析者が株主利益を主とする投資目的から見るのか、それとも経営者の立場から見るのかによっても影響を受ける。それぞれ国ごとの企業風土の違いも、考慮に入れる必要があるだろう。(菊池)(吉木)
4.税引後営業利益+減価償却費等非貨幣支出費用-設備投資等±正味運転資本増減。(トーマツ)
5.FCFのとらえ方は一致していない。例示は以下。(菊池)
6.便宜的に営業CF-減価償却費(現状を維持するために必要な設備投資額を減価償却費とみなす)。(金児)
■自由資金比率
フリー・キャッシュ・フロー/ 当期純利益
自由資金比率は、会社に自由に使えるお金がどれだけ残っているかを示す指標です。自由資金比率は、税金を払って会社に残った当期純利益が、どれだけFCFとして会社に残っているかを出したものです。FCFの比率が多いほど資金繰りが楽になります。黒字企業の平均数値は40%、優良企業でも70%ですが、私は70%かそれ以上を目指すべきだと考えます。
■企業価値算定の際のFCF
FCF=EBITDA-資本的支出±運転資本増減
企業価値の算定にあたっては、一般的に「税引後営業CF」が使用される。税引後営業CFとは、「EBITDA(支払利息・税金・減価償却控除前利益)」から、設備投資資金を差し引き、さらに運転資本の増減を加味したもの。
■FCF分析の2つの視点
都井清史『新しい会計基準』、山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』、高田直芳『キャシュフローのしくみ』、トーマツ『キャッシュ・フロー計算書作成実務と経営管理』、菊池誠一『連結経営におけるキャシュフロー計算書』、金児昭編『キャッシュフロー経営がわかる本』、吉木伸彦『わかりやすいキャッシュ・フロー計算書』、櫻井通晴『管理会計』、山田昌弘『会計とは何か』、楢山直樹『経営をよくする会計』、小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法』、久野康成『あなたの会社を永続させる方法』、伊藤邦雄『ゼミナール現代会計入門』
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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