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経営分析

2022年6月20日 (月)

冨山和彦/経営共創基盤『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』PHPビジネス新書

経営分析とは、経済メカニズムの分析である。

なかでもPLは、その企業の経済メカニズムを知るうえで、またとない入り口となる。

訪問販売のノエビア、通信販売のファンケル

国内で最大の化粧品メーカーは資生堂、次はカネボウ化粧品を傘下に収めた花王で、3番手はコーセーである。

一般の経営分析では、化粧品業界というおおざっぱな括りで分析しがち。

ビジネスを分析するときには、あくまでも経済的なインパクトの大きいところに集中しないと、・・・

ある企業にとっての現在の強みは、裏を返せば、そこがダメになると全体の業績に悪影響が出るポイントでもある。

えらそうなことを言っても、結局相場次第という商売は少なくない。仕入れ価格がものすごく上下する会社は、みんなそういう要素を持っている。

その数字から企業小説を書けるのか。

戦略コンサルタントの仕事では、通常、PLの営業利益までしか扱わない。

米国ではリストラのときの退職金はもともと営業費用にカウントされる。米国では頻繁に人員整理が行われるので、何ら特別なことではないからだ。

PLを突破口に企業実態を思い描き、BSで確認し、最後はウソのないCSでチェックする。

まず考えるのは、「保有事業は持続的に競争優位を維持できるか?」ということだ。

加入者が増えれば増えるほど利用価値が高まり、加入者がさらに増えていくという経済メカニズムを「ネットワークの外部性」

トヨタが売り上げ規模のわりにはグループ社員を増やさずに済んだのは、系列取引があったからだ。

コンビニの場合は、単純に店舗数を増やせばいいのではなく、ある特定の地域に限定して店舗を出店するドミナント戦略により、経済性が高まる。店舗同士が近ければ、その分、各店への配送コストの効率が上がる。複数の店舗を往き来して統括指導するスタッフの効率も良くなる。

経営改善の基本は、単品管理を徹底することである。

管理会計と言われてもよくわからない方でも、英語だとクリアに違いがわかる。

経営分析もせずに、「現地が欲しいのは、安かろう悪かろうだ」「中国だからしかたない」「インドだからできる話だ」と極々粗い一般論を理由に挙げ、諦めたら負けだ。そこから先は、思考停止である。

 

 

2022年1月 1日 (土)

山口揚平『企業分析力養成講座』日本実業出版社

企業の価値とは、そこに関わる人々の多種多様な価値観の精妙なバランスの上に構築された高度な組織体系であり、組織の内部に長年にわたり蓄積されたオペレーションのノウハウや文化であり、そして卓越したマネジメント陣によって構築された事業戦略の精度の高さと、その結果として行なわれる短期効率的かつ長期効果的な資源配分の集大成なのである。それらは数字に表れてこない。

より重要なのは、「なぜ利益率が高いのか? それは今後も継続するのか否か?」を自らの頭で考えることであり、その原因を突き止めることである。

一人勝ちしているように見える企業にも、実は業界特有の弱点がある。

PLは、売上という成果を、誰に対して先に分配するのか?という順序を表しているのである。

運転資本とは、ひと言でいえば「つなぎ資金」のことである。

少ない資産でたくさん利益を出している企業が、結果としてたくさんのキャッシュを稼ぐことになるのだ。

10倍株は「テンバガー」と呼ばれる。

M&Aの現場でまずやることは、ビジネスシステムを描くことである。

投資とは、その会社のキャッシュフローに賭けることに他ならない。

企業の価値を創るのは、まぎれもなくキャッシュ(現金)である。

鉄道のほうが飛行機よりも先行投資型のビジネスであり、一度、大きく投資をしてしまえば、その後のキャッシュは必要なくなるのである。

企業分析の際に一番重視するべき項目は、CF、次いでBS、最後にPLの順である。

銀行とは、要するに「信用」を仲介する卸売業なのである。

一般に、利上げが行なわれる局面では、銀行の収益は減少し、利下げ局面においては増加する。これは、金利が上がると資金需要(銀行にとっては売上)が減るためだ。逆に、金利が下がると資金需要が増加し、銀行としての収益は上がるという仕組みになっている。

結局、経営者の考える事業の「器」の大きさまでしか事業は育たない。

3年間の平均フリーキャッシュフローがプラスで、社歴が10年以上たっているものを選ぶとよい。

「事業戦略(ロマン)」と「資本政策(ソロバン)」という「車の両輪」をバランスよく組み合わせ、継続的に成長し続ける企業にこそ、敬意をもって長期投資の対象とするべき時代に差し掛かっている。

リターンを最大化するのではなく、リスクを最小化する(バフェット)。

物事を正確に捉えるには、常に「分母は何か?」と問い、相対的に考える必要がある。

究極的に良い会社とは、コスト以上に稼げる会社、要するに、ROICマイナスWACCの差が大きな会社ということになる。

CEOの究極の目的は、ROICを上げ、WACCを下げること。

株主資本はタダではない。

 

2017年4月27日 (木)

都井清史『業種別エキスパート経営分析』きんざい

大企業では比率分析、中小・零細企業では実数分析が中心。

売上高経常利益率と総資産回転率は、一方を高めようとするともう一方は低くなるトレード・オフの関係にあります。

在庫の回転期間の短縮と売上債権回転期間の延長の二つが同時にみられた場合には、十中八九、翌期売上げの先取りを意味しています。

経営は在庫に始まり在庫に終わる。

労働生産性が向上すれば、労働分配率を高めずに賃金水準を引き上げることができる。

2017年4月 3日 (月)

古田土満『ダントツ人気の会計士が社長に伝えたい 小さな会社の財務コレだけ!』日経BP社

税引後利益-配当金+減価償却費<借入金返済額ならば、その会社は約定している借入金を返済できなくなります。

戦略・戦術を社員に実施させる道具が、経営計画書なのです。

経営計画は方針書が大事。数字のみの経営計画は仏作って魂入れず。

経営方針が経営計画の魂なのである。

社員がどのように会社に協力してほしいかを具体的に文書にしたものが経営方針書なのです。

最も大切なのは、経営方針書です。利益計画は、経営方針書に書いた夢に日付と数字を入れるものです。

美しい損益計算書とは、営業利益が多く、税引前利益の少ない損益計算書です。

理想的な貸借対照表は、資金別貸借対照表から作ると一番イメージがわきやすくなります。資金別貸借対照表にまず支払手形ゼロ、借入金ゼロと目標を記入して、目標を達成するための資金をどの科目で調達するのかを、手書きでシミュレーションするのです。

損益計算書は、あてになりません。今期、過去最高益を出しても来期は大赤字にもなります。

いざ大災害が起きたとき、社員に配るため、千円札で用意しているのです。

人生には、3つの坂があります。上り坂、下り坂、そして「まさか」です。

借入金の本質は、利益の前倒しです。

1人の障がい者を雇用すると、親、兄弟、親せき、知人、友人が喜んでくれます。

会社はお客様第一主義だが、社長は社員第一主義だよ。

2017年3月20日 (月)

小宮一慶『「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書』PHPビジネス新書

売上原価やその原価率が適正水準であっても、不良在庫がものすごく増えているという場合があるからです。

ROEを高める方法としては、

  1. 分子である「当期純利益」を上げる
  2. 分母である「自己資本」を下げる

手っ取り早くROEを高めようとして自社株買いをやりすぎますと、純資産が減少して、会社の安全性に問題が出てくる可能性もあるのです。

負債の調達コストよりも、純資産の調達コストのほうがはるかに高いのです。

たな卸資産は、売上高に対しての比率でチェックして、増加傾向にあれば要注意ということになります。

私が高収益企業かどうかを判断する際の基準にしているのは、「付加価値の20%くらいの営業利益が出ているかどうか」という点です。

2016年12月 5日 (月)

田中威明『取引先の倒産を予知する「決算書分析」の極意』経営者新書

売上不振や業績不振は、それだけでは倒産の徴候と見ることはできないのです。逆に、売上が増収で、黒字を継続していても安心とは言えないのです。

手形取引であれば、資金難による不渡りはすぐに知れ渡って倒産になります。しかし、手形を使わない取引では、資金難は単なる支払いの遅延として、内密に処理されます。

倒産予知を行うためには、次の5つの指標を参照したうえで、全体的な支払い能力を評価するのが効果的であると私は考えています。

  • 売上債権回転期間
  • 棚卸資産回転期間
  • 借入金月商倍率
  • 運転資金月商倍率
  • 現預金月商倍率

つまり、企業の経営・営業活動の結果はすべてBSに表れるのです。

経常収支比率という財務指標は銀行や信用金庫などでは非常によく使われている財務指標です。

流動比率には、以下のような欠点があるからです。

  • 流動部分(1年分)しか評価しないこと
  • 負債には支払い義務がないものも含まれていること
  • 粉飾の危険を検討していないこと

私は決算書は「成績表」ではなく「報告書」であると考えています。

「粉飾」を見抜きたい時は「売上」「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」の4つのバランスを時系列で比較してみましょう。

末松義章『不正経理処理の実態分析-粉飾決算のメカニズムと発生の抑止方法』によれば、売上債権、仕入債務、棚卸資産という3つの指標、つまり運転資金を使った粉飾は、決算書における「粉飾」のうち84.3%にもなるそうです。

2016年10月 2日 (日)

内田正剛『「不正会計」対応はこうする・こうなる』中央経済社

■利益剰余金と借入金を使った分析

本来は損失が発生すると、同規模の純資産が減少する一方、借入金を新規調達するため、純資産と借入金の合計に大きな変動は発生しないはずです。損失発生を不正会計によって隠蔽すると、純資産が増える、あるいは変わらないのにもかかわらず、資金繰り補填のために借入金の新規調達が行われるため、この指標が増加傾向を示します。

上記のような性質を利用して、以下の算式により算出された指標を用いて趨勢分析を行います。

利剰借入合計回転期間(か月)=利益剰余金+借入金/売上高÷12

回転期間分析の形をとるのは、売上計上よりも支払いが先行する企業が異常値として把握されてしまうことを防ぐためです。

2016年8月21日 (日)

山根節『数字で読み解くトップの手腕 なぜあの経営者はすごいのか』ダイヤモンド社

経営は、勝率で評価できないのだ。柳井正

「プロ」という言葉は、もともと西欧社会の三大職種であった聖職者、医師、弁護士に付けられた「プロフェッション」から由来している。

中間管理職はいわば「部分最適」の仕事をしている。

日本には捨てられないトップが多いが、「全体最適」を考えて「決める=捨てる」のがトップの仕事である。

経営と会計を統合して考える戦略概念に、「ビジネスモデル」がある。

ビジネスモデルを構成する四つのプロセス(クリステンセン)

  1. 顧客価値の提供(CVP)
  2. 利益方程式
  3. カギとなる経営資源
  4. カギとなる業務プロセス

2016年7月23日 (土)

井上和弘監修『超解 決算書で面白いほど会社の数字がわかる本』あさ出版

「会社の数字」を見る4つのポイント

  1. もうかっていますか(収益性)
  2. つぶれませんか(安全性)
  3. 借金を返せる力はありますか?(金融力)
  4. 従業員はしっかり稼いでいますか(生産性)

借入金が月商の3カ月以上あるなら「黄色信号」、6カ月以上なら、「赤信号」といわれています。ただし、巨額の設備が必要な装置産業、不動産業は、業種的に、借入金がふくらまざるを得ません。

現在の借入金を7年以内で返済できれば、大きな問題はないといえます。

在庫とは、〝倉庫に在るもの〟とイメージしてください。

現預金は月商の1カ月分あれば十分なのです。

2016年7月 8日 (金)

小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】』東洋経済新報社

最優先すべきは、なんと言っても、短期的に倒産する懸念がないかどうかを見抜くことです。

「企業は負債が返済できなくなって倒産する」と書きましたが、正確には、流動負債が返済できなくなって倒産するのです。

第一優先順位はなんと言っても、手元流動性。

1ヵ月分くらいの手元流動性があれば、自社が資金ショートを起こすことを避けられるのです。

利益剰余金は利益の蓄積であって、資金の蓄積ではない。

会社の実力は「安全性→収益性→成長性」の順に見る。

銀行の最大の資産は、貸出金。

安全性という観点からは、いざというときにあくまでも「売れる」資産をどれだけ持っているかが重要なのです。

銀行員や会計士が貸借対照表で騙されるポイント

  1. 売掛金
  2. たな卸資産
  3. 長期借入金(1年以内長期借入金の省略)

売上高を見る時には在庫の増加を必ずチェックする。

製造業の場合には、・・・・・売上総利益と付加価値は一致しません。付加価値のほうが大きくなります。

増収増益でも、増益率のほうが小さいとすれば、設備投資を行って固定費が増加した、資源高などで変動費率が上がったなど、これまでとコスト構造が変わっている可能性があるなどの理由が考えられます。もし、みなさんが企業経営者なら、増収増益で、増益率が増収率よりも小さい場合には、その理由を分析した上で、銀行などに説明したほうがよいでしょう。単に、増収増益だと喜んでいるだけでは、ダメなのです。常に、コスト構造を分析していることが大切です。

全体の成績が良い、あるいは、平均値が良いからといって、必ずしもその会社に問題がないということにはならない。

減価償却費(固定資産価値の目減り分)と有形固定資産の純額での増加額(設備投資等)を比べることにより、その会社の投資のスタンスが分かる。

「有形固定資産等の取得による支出」と「有形固定資産等の売却による収入」の差額が、純額での主に設備投資を表しますから、これがそれらの目減り額である「減価償却費」よりも多いかどうかをまずチェックします。

売上高が落ちているときの在庫増は要注意です。

キャッシュフローの実力値=当期純利益+減価償却費

会社の値段=(EBITDA × X倍)-ネット有利子負債・・・・・(EBITDAのX倍)が(将来のキャッシュフローの類推)であると考えても構わないでしょう。「X倍」が実際に何倍になるかは、M&Aの市場の活発さによります。

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