■税務調査の傾向
◇戸田税務会計事務所
1.申告書の三期比較で異常数値のある会社
売上総利益率が同業他社に比べ著しく低かったり、支払手数料、貸倒損失、役員報酬、接待交際費等が異常に多かったりすると対象になりやすい
2.従来の赤字継続企業が黒字に転換した場合
3.日銭商売をやっていて赤字が長期継続している場合
4.同業者の内部告発があった場合
不動産業、金融業、風俗営業等の業種は内部告発情報は結構重視されている
5.反面調査
本来の調査の目的とする会社の証拠確認のため、その会社の取引先に調査に入ることがあります。
6.3~5年のサイクルによる調査
7.グループ一括調査
◇長谷川
1.売上高等が前期と比べて30%以上も増加した会社
2.不動産を購入又は売却などして、多額の臨時収入や臨時損失などがあった会社
3.欠損金の還付請求をした会社
■税務調査の対策
◇岩佐
1.収入の計上時期・・・・・合理的な売上計上規程づくりをする
売上が増大しているのに、利益が出ていないケース、これがもっとも税務署から目をつけられやすいものです。
2.交際費の範囲・・・・・相手・目的を記録し、会議費扱いにする
3.棚卸し漏れ・・・・・「仕入→在庫→売上」の流れに注意
もし収入に上がっていなかったら、棚卸しの明細の中に残っているはずです。逆に棚卸しの明細の中に残っていなかったら、収入に上がっているはずです。仮に、収入にも棚卸しの中にも上がっていないということになれば・・・・・。
4.収入漏れ・・・・・「仕入→在庫→売上」の流れに注意
5.架空人件費・・・・・社保庁や市町村ルートで発覚注意
6.架空仕入・・・・・「仕入→在庫→売上」の流れに注意
7.役員報酬の妥当性・・・・・期中での操作はダメ
8.使途不明金・・・・・会社と個人のお金を明確に区分する
9.社長の個人費用のつけ廻し・・・・・役員貸付金等に注意
10.会社と役員の取引・・・・・不動産の場合は時価の証明書類を用意
◇長谷川
1.現預金:現金残高、預金残高、金庫など
2.売上:計上の網羅性と、計上基準の妥当性
3.仕入:架空仕入や仕入の繰延の有無
4.棚卸資産:数量の正確性と単価の適正性
5.交際費:交際費にすべき支出が他科目に計上されていないか
6.使途秘匿金:作らないことが理想
7.寄附金:役員の私的寄附が計上されていないか
8.役員給与:役員の範囲、公私の区別、金額と手続の妥当性
9.修繕費:資本的支出とすべきものではないか
10.人件費:架空人件費、経済的利益の供与の見落とし
◇税務調査のときの基本的な調査項目(FANアライアンス)
1.売上
- 売上高が除外されていないか
- 仕入及び在庫と照らして、売上がもれなく計上されているか
- 現金商売の場合はとくに、売上を抜いていないか
- 調査前日、当日等の売上高と売上金額が一致しているか
2.仕入・外注
- 仕入、外注費の架空計上、水増し計上はないか
- 仕入、外注費のうち翌期に対応するものはないか(期末日から数カ月をさかのぼって仕入と売上の対応を調べ、対応していないものは在庫に計上しているか、売上の計上もれはないかを調査します)
3.棚卸資産
- 棚卸資産の単価を下げていないか
- 数量を減らしていないか
4.人件費
- 人件費に架空の費用を計上していないか
- とくにパート・アルバイトは実際に業務に従事していたか
- 同族の役員、社員の報酬・給与は、勤務実態からみて妥当か
岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、大村大次郎『社長!税務調査はこうして乗り切れ』、戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』、長谷川麻子『同族会社の節税マニュアル』、FANアライアンス編『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』
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