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法学

2023年2月22日 (水)

佐高信『反-憲法改正論』角川新書

ドイツはポーランドといっしょに歴史教科書をつくっています。

傑作『吉里吉里人』の背景には、訛りで苦しんだ井上自身の体験があるだろう。

住専問題の責任は母体行と大蔵省にある。

日本の会社というのはみんなじめっとしている。ともかく目立つな、みんなと同じことをしろと言う。

宮澤は、「保守」とは〝主義〟ではなくて一つの〝生活態度〟だと指摘する。

フランスは国民投票が好きですが、英国人は反対です。英国の政治家には、国民の複雑な利害の中から妥協を見いだすのが我々プロの政治家の務めだという伝統とプライドがあります。

城山さんを語るとき、勲章拒否と現憲法擁護の二点だけははずしてほしくない。

小説を書く場合、城山は原則としてモデルには会わない。

世界の人類の平和を希求して、自ら実験台になる、これほどの名誉がほかにあろうか。

日本人であることは一つの安全保障であった。

百の診療所よりも一本の用水路。

とにかく生きておれ! 病気はあとで治す。

実際、現場に立たされると案外そっけないものです。丁半できめられるようなもんですから。生死はわれわれが決定するものでもないというか。生きるものは生きるという妙に楽観的な気持ちが湧いてくるものです。

アフガニスタンにいると『軍事力があれば我が身を守れる』というのが迷信だと分かる。敵を作らず、平和な信頼関係を築くことが一番の安全保障だと肌身に感じる。単に日本人だから命拾いしたことが何度もあった。

2023年2月 2日 (木)

橋下徹・木村草太『対話からはじまる憲法』河出文庫

憲法には、過去の国家権力の失敗を踏まえ、それを繰り返さないための知恵とルールが盛り込まれています。

私が気になっている前提条件は、沖縄に米軍基地が集中していることです。

権力が集中しすぎないように「三権分立」を説いたりします。

納税の場面では財産権を解除しますよ、と納税の義務を規定しているんですね。

私は、憲法には三つの顔があると考えています。ひとつ目は、国家の運営ルールを定めた法律文書としての顔。ふたつ目は、外国に対して「日本はこういう国です」と示す外交宣言としての顔。三つ目は、国民の中の歴史物語の象徴としての顔です。

立憲主義は主権とセットだと思っています。

法の一般性・・・・・一般的というのは、固有名詞を入れてはいけないということです。

国家の歴史を見ると、立法権ができる前に、行政権と司法権が出来上がります。

侵略が禁止されているだけで、侵略さえしなければ軍隊を持つことが禁じられているわけではないと理解するのが、芦田修正説です。

立憲主義は、「民主的に決めるべきものと、そうでないものを決めよう」というシステムでもあります。

国家の指導者が徹底抗戦だと言ったときに、国民個人が命を差し出さない選択をしたっていい。これこそ憲法の一番重要な考え方だと思うんです。

自衛権は国際法上の権利です。

中川剛『文学のなかの法感覚』信山社

「最も古い職業」は、つねに法によって敵視されながら、けっして無くならない。それは、売春のほうが通常の結婚よりもかえって人の本性に深く根ざしているからであろう。つまりは人間性の汚点であるが、それを否定すべきものと措定することによって、われわれは自己についての汚辱を免れてきた。罪も穢れも売春婦の側に帰せられる。罪は売春の行為そのものにあるのではなくて、家族関係における差異性の原理との接触にある。したがって法はこの場合、人間の自然への抑圧という最も原初的な性格を露わにせざるをえない。さもなければ瓦解するほどに、われわれの文化は脆い。

法廷は、人を憎む事はできない。

勝った者が裁くところに正義は存在しないと言っていいでしょう。

表現の自由にとっての最大の脅威は、「異端」の存在を許そうとしない「正統」の存在である。

ある考え方を異端とする人々に対しては、どんな議論も通じないということだった。

通説は支持者の数ではなく、それを通説と「見る」人の数によって決まるようである。

年末になると判で押したように第九交響曲というのもわけがわからない。推察するに、9はきわまり、どん詰まりの数であって、師走にふさわしいと考えられたのであろう。

もっとも、人間は悪口を言われるようになれば、たいしたものという見方もある。

頭角を現わす人、やり手、個性の強い人物は必ず悪口を言われている。

大いに悪口を言われるべし。それは、人々が君を無視できない証拠であるからだ。

自分が憎む相手の悪口を言ってはならない。相手が目立つのを助けるようなものだからである。

自分の悪口を言った相手には、「人々の注目を私に集めてくれてありがとう」という態度で接しておけばいい。

ライバルというものは自分と同等の者で、ライバルを見れば自分の程度がわかると、ある画家が語っていた。つまらないやつが自分のライバルであれば、自分もやっぱりつまらないのである。

難のない小物であるよりは、ぼろくそに言われる大物であるほうがよい。

法令は権力を背景としており、法学は権力の侍女としての性格をまったく抜き去ることができない。

2023年1月29日 (日)

井上達夫『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門』毎日新聞出版

自由市場経済中心主義と小さい政府を唱道する立場がリベラルと思われた時代もありましたが、今はこの立場は「リバタリアン」と呼ばれている。

国歌・国旗問題・・・・・制裁をちらつかせて強制することに反対しているのであって、・・・・・

歴史的事実として、軍がまったく関与しなかったとは言えないでしょう。

アメリカは、自分が侵略した他国に対し、謝罪なんかしませんよ。

戦争政策は、国防軍もナチと一緒にやっているわけです。

パターナリズムというのは、父権的干渉主義とも訳されますが、・・・・・

民主主義の存在理由は何かというと、われわれが自分たちの愚行や失敗を教訓として学習する政治プロセスを、民主主義が提供してくれるということですね。完璧に頼れる人などどこにもいないが、愚者が自分の失敗から学んで成長することはできる。そのための政治プロセスが民主主義だ、と。

福田歓一先生が言うのは、政治学の基本概念はすべて古典・古代のギリシャ、ローマにある、と。ただ、二つだけが近代に出てきた。それが主権と人権だ。だから主権と人権は、近代になってカップリングして生まれたんです。

2022年2月27日 (日)

高見勝利『憲法改正とは何だろうか』岩波新書

この永続性は、憲法にかぎらず、法とは、すべて社会生活の安定を確保するために存在し、そのために、まず法みずからが安定していなければならないという、その本質的要請に由来するものである。

そもそも「個人」とは、各々の「人格」を有するがゆえに「尊厳」を保持し、立法その他国政上も最大限「尊重」されなくてはならぬ存在であるものを、単に各人の身体的・社会的属性に着目し、わけても家族を典型とする生活共同体の一員として、日本の歴史・文化・伝統との繋がりのなかで、その与えられた一定の役割を従順に演ずる存在へと貶めるものである。

そこから、見えてくるのは、本来、国家が果たすべき国民の生存配慮義務を家族に押し付けようとする為政者の姿である。

憲法とは国家権力を担う為政者が何かをしようとする場合に、これについて一定の要件を定めた根本的な法である。

ポツダム宣言は、日本における軍国主義の除去と平和的傾向を有する政府の樹立、基本的人権の尊重の確立等を目的としていた。

2020年12月21日 (月)

島田裕巳『天皇と憲法 皇室典範をどう変えるか』朝日新書

無教会派のクリスチャンで政治学者の南原繁は、・・・・・

悠仁親王は皇太子の家に生まれたわけではなく、将来天皇になることを前提に育てられているわけではない。

憲法十七条は、あくまで役人を対象としたもので、役人の行動上の原則を定めたものであると見ることができる。

万世一系ということばを作ったのは岩倉具視であり、・・・・・

天皇が神と等しい存在であることがとくに強調されるようになるのは、この『国体の本義』が刊行されてからのことである。

もともと華族は国家から財政的な援助を受けていたわけではないので、・・・・・

大日本帝国憲法には陸海軍についての規定がないわけだから、・・・・・

皇族でも、女子には皇籍を離脱する道が開かれている。

 

2019年9月27日 (金)

篠田英朗『ほんとうの憲法―戦後日本憲法学批判』ちくま新書

そもそも憲法9条1項は、1928年不戦条約(ケロッグ=ブリアン協定)の焼き直しである。

アメリカ独立宣言や合衆国憲法は、「nation」の主権といったフランス革命的な考え方を採用せず、ただ「people」が全ての権力の源流であることだけを宣言した。

アメリカのおける人民(people)に依拠した概念構成は、イギリス名誉革命期のジョン・ロックの社会契約論の理念によって最も鮮明に説明される。

憲法問題研究会は、明白に護憲派の集まりであった。

美濃部が、ドイツ国法学の雄と言えるイェリネックに強い影響を受けていたことはよく知られている。

2017年10月21日 (土)

朝日新聞経済部『ルポ 税金地獄』文春新書

ふるさと納税による収支が赤字なのは、人口が多く、高所得者が集まる都市部が中心だ。

東京都世田谷区は、待機児童数が全国で最も高いが、・・・

自動車のかかる税金は項目が多くて複雑であるが、これはさまざまな利害関係者が政治家や官僚に強力な働きかけをおこなっているためである。

65年間続く船舶の特別償却制度(特償)は「最古の特例減税」だ。

2017年10月19日 (木)

中川剛『日本人の法感覚』講談社現代新書

日本国憲法をはじめ各種の「基本法」には、輝かしい理念が述べられている。だがそれは、基本的には輸入された思想や欧米の歴史的経験の結果であって、日本の思想や日本人の歴史的経験によって得られたものではないという限界がある。

自分でないものに向かって完成していく自分を意識すればするほど、精神の飢餓感は増していく。

欧米では法は自然法と実定法とに大分けされるが、自然法は神の法であり、宗教ないし倫理に発する命令である。

基本的人権のほうはこれに対して、制約がつけられない。永久不可侵であるから、改正がありうる憲法にも優越する。「人類」の遺産であるから、日本国民が勝手にどうこうすることはできない。しかも「過去幾多の試練」によってテスト済みという保証書までついている。

アメリカは、合衆国憲法修正第一条で国教は法律によっても認められないという立場をとっている。

アメリカ独立の理由は、イギリス政府による課税その他の経済的負担にあった。

2017年10月17日 (火)

長尾一紘『世界一非常識な日本国憲法』扶桑社新書

政府が憲法解釈を変更してはならないというルールは存在しません。

学説と信仰告白との違いは、論証の有無にあります。

日本国憲法は、「国際協調主義」の立場に立っています。

スイスが攻撃を受けなかったのは、非武装だったからではなく、徹底的に軍備を整備していたからです。

ヤルタ会談の問題点は、バルト三国や東欧諸国に対する実質的支配権をソ連に与えてしまったこと、また、ソ連の対日参戦の見返りとして、日本の樺太南部や千島列島などをソ連に与えるとした点にあります。東欧諸国や日本などの承諾なしに、勝手にソ連の支配権を認めたわけですから、ルーズベルトの責任は重大です。

『拝啓マッカーサー元帥様』

教育勅語には何か足りないものがあったようです。それは、「国家と国民」の関係についてです。天皇と国民のあるべき関係については示されていますが、国家と国民のあるべき関係については、ほとんど示されていないのです。

「神のものは神へ、カエサルのものはカエサルへ」。祭事は教会に、政事は国王に、との意味です。

君主制は、世襲制を構成原理としています。

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