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歴史

2024年2月 1日 (木)

文藝春秋編『世界史の新常識』文春新書

ペルシア戦争に勝利したギリシア人が、敗れた側のペルシア文化を模倣し、ペルシア趣味に耽るという、逆の現象がうまれたのである。

東方世界の豊かさとギリシア世界の貧しさ、これが古代ギリシアを貫く隠れた糸である。

古代ギリシア人は統一国家を作ることはなく、ポリスと呼ばれる多数の都市国家に分かれていた。

被支配民族を分裂されることは、帝国支配の根本原則である。

パウロは、十字架以前のイエスの活動に意義を認めない。イエスにおいて意味があるのは「十字架」だけだとしている。

ローマ帝国の滅亡は、難民問題から始まった。

現在の世界史は、農耕民族を中心に組み立てられている。

今も使える暦法を作れたことは、ローマ教会の優れた科学力を示している。

日本という国を最初にデザインしたのが持統天皇と不比等なのです。天照大神が女性なのも、持統天皇や元明天皇をモデルにしたからですね。

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2023年6月18日 (日)

磯田道史『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』NHK出版新書

日本の現在の皇室は北朝の系統ですが、明治天皇はこれを裁断し、楠木正成が仕えていた南朝が正統であると決定しました。

日本近代を考えるうえで、この熊本出身者というのは非常に重要です。

司馬文学の背後には、HowよりWhyがあります。

信長は、「すべてが独創的だった」としています。

家康の行動の基本には、自分が生き残るための処世術があります。

「組織は変質する」というのは、司馬さんの重要な歴史観のひとつです。

司馬さんは、乃木だけではなく、彼の下で作戦の指揮をとる幹部をまとめて「無能」と激しく非難します。

 

2023年1月29日 (日)

ジュディス・S・ニューマン『アウシュヴィッツの地獄に生きて』朝日文庫

私たちの住むアパートのドアにはユダヤ人の印がつけられていたので、強盗やこそ泥から逃れる術はありませんでした。男も女も、聖書に出てくるあのヤコブやサラのようになっていきました。

私たちの友人であり、解放者であったアメリカの手助けがなかったら、どんなにロシアが勇敢に戦ったとしてもその勝利はなかったでしょう。アメリカの兵士のおかげで生きていられる私たちにとって、その恩は一生忘れられないものなのです。

アメリカ軍の兵士はロシア軍の兵士よりもっと清潔で礼儀正しく見え、・・・・・

・・・・・イギリス人はアメリカ人よりずっと礼儀正しいようです。

ドレスデンに空襲攻撃を仕掛ける前に、連合国軍側は飛行機を使って、ドイツ人に降伏し白旗を掲げるよう警告したビラを撒きました。

2022年8月 2日 (火)

関眞興『30の戦いからよむ世界史 上』日経ビジネス人文庫

哲学者のアリストテレスも奴隷制度を認めていました。

ヘロドトスが、見聞したことを批判することなくすべて記述したのとは異なり、トゥキディデスは厳密な史料批判を行いながら記述した姿勢が、高く評価されています。

長城のような障害物の前ではいったん馬を降りざるを得ず、騎馬戦術の弱点を突けるのです。

イスラム教には聖職者がいません。

今日の世界で起きている紛争の原因はナショナリズムか宗教かといわれています。国民を団結させる理念として、これらは実に有効にはたらいてくれるものです。

レコンキスタといわれる、イスラム教徒に対するキリスト教徒の国土回復運動が本格化します。

ルネサンス運動は、古代ギリシアやローマのように、神ではなく人間を中心に考えようとするものです。

マキャベリは自国軍を持つ必要性を強く認識し、・・・・・

絶対王政時代の経済政策を重商主義といいます。

 

2022年7月12日 (火)

竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける』PHP文庫

江戸は手に負えないほど劣悪で、希望のない土地だった。

関東平野は縄文時代には海の下だった。

関ヶ原の戦いは、形式上、家康が石田三成という反乱軍を征伐したに過ぎなかった。

風水での鬼門は東北の方角といわれている。

信長にとっても、逢坂は恐ろしい鬼門であった。

平家は壇ノ浦の戦いで壊滅しており、・・・・・

鎌倉は狭い、いや異常に狭すぎる。

家康は信長に学び、秀吉に学び、さらに、この頼朝にも学んでいる。頼朝に学んだものは、権威と権力の分離であった。

日本人は家畜を去勢しなかった(梅棹忠夫)。

牛馬に去勢を施さない日本人の文化が、1000年の車文明の空白と道路の未整備の原因となった。

牛車群と騎馬軍団が活躍できるのは、縦横無尽に走り回る大地があっての話だ。

江戸の飲み水が玉川上水だったことはよく知られている。

他人とは、情報を共有していない人を指す。仲間とは、情報を共有している人々をいう。アイデンティティーとは、それほど難しい概念ではない。情報を共有する仲間への「帰属意識」がアイデンティティーである。

その日本人のアイデンティティーを醸成した下部構造は、モノを運び、情報を運んだ「船」であった。

交流軸の都市は栄える(宮崎市定)。

 

2021年12月21日 (火)

古市憲寿『絶対に挫折しない日本史』新潮新書

弥生時代というのは、イネが入ってきただけの話なのだ。

織田信長による比叡山焼き討ちは有名だが、それは比叡山延暦寺がそれほどまでのパワーを持つ武装集団だったことを意味する。

実は日本刀が戦争における主力武器になったことは一度もない。

コメの特徴は、食後血糖値を上げる効果(GI値)が高いことだ。

第15代の応神天皇、少なくとも第26代の継体天皇からは実在したと考える研究者が多い。

国土交通省の推計によれば、日本の私有地のうち、何と2割の持ち主がわからないのだという。

2021年12月15日 (水)

出口治明『全世界史 上』新潮文庫

ここで大事なことは、未知の土地へ旅するときには、海沿いに進むほうが容易だということです。

帝国にとって何が必要かといえば、共通語です。

中国の神様は太陽神が基本です。

中華思想とは、結局、漢字の魔力だったのです。

高度成長は、必然的に自然破壊を伴います。

中国の与党は一貫して法家です。

仏教はブルジョワジー向けの宗教なのです。

大乗仏教はヒンドゥー教のヴィシュヌ神を借りてきます。ただし名前は観音菩薩に変えます。

カリフとは、預言者の代理人を意味します。

イスラム教・・・・・商人がつくった宗教ですから、合理性を重んじたのです。

いまでも世界中のモスク(礼拝堂)の周囲はだいたい商店街です。

ヴァイキングとは入江の人という意味です。

キスワとは、イスラムの聖地マッカのカアバ神殿にかけられる布です。

後醍醐天皇が足利尊氏と別れて樹立した南朝は吉野の山奥にほそぼそと永らえていた弱小政権で、・・・・・

2021年1月16日 (土)

関厚夫『一日一名言 歴史との対話365』新潮新書

ベルリン・フィルやウィーン・フィルのような超一流と「ふつうの一流」の交響楽団の違いは何か。「彼ら(超一流の楽団)はわたしとすばらしいリハーサルをする、しかし当夜の本番になると、いつもなにかリハーサルでは聞けなかった、感じられなかったものがつけ加わる」。それが差なのだという。

学者とは芸術家と同様、霊感による独創が必要な職業だ。そのため、全霊を傾けなければならず、売名や「よそ見」を考えるなど愚の骨頂である。

ヒトラーが「非人」? とんでもない。彼もわれわれと同様、人間であったからこそ問題なのだ。

織田信長・・・・・その彼が必死の覚悟を伝えたのだ。諸将の感激たるや、であろう。

天命(時勢)、礼(儀)、そして言葉。この三つをすることが、政治なのである。

 

2020年12月22日 (火)

木村凌二『教養としての「世界史」の読み方』PHP

少なくとも馬の有無で文明の発達スピードが大きく変わることは間違いのない事実です。

四大文明のほぼ同時期や、もっと古い時代に、ほかにいくつもの文明があったことが明らかになり、・・・

つまり、環境的に恵まれなくなったから文明が生まれた、と言っても過言ではないのです。

アメリカがラッキーだったのは、国の出発点がイギリスの影響下にあったことです。

明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。(ガンジー)

ナントの勅令は、ヨーロッパで初めて個人の信仰の自由を認めた画期的なものでしたが、・・・

ローマ人は正直なので、それなりの身なりをしていること、また格好が人より優れているということは、大事な権威の要因の一つでした。

世界で最初にキリスト教を国教としたのは古代アルメニア王国だったのです。

 

2020年12月21日 (月)

出口治明『「全世界史」講義 教養に効く!人類5000年史 近世・近現代編』新潮社

孟子の易姓革命の理論が・・・・・

明は交易を禁止している国ですから、・・・・・

東洋と西洋という言葉は、鄭和艦隊が使った言葉です。

修道院があると、そこには信仰を隠れ蓑にして、働かず、戦争にも行かず、国家に貢献しない人が寄生してしまう。

マックス・ヴェーバーは、このカルヴァン主義こそが資本主義を発達させたものであると考え、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1904)を著しています。

予定説は、教会の権威を重んじるローマ教会が嫌悪する考え方です。

バークの考え方を平たく言ってしまえば、人間はアホだということです。人間はそれほど賢くないのだから理性(人間のアタマ)で考え出したものには信が置けない。信が置けるのは、人間が過去にやってきたことでうまくいっていることや、経験に裏づけられて、マーケット(市場)で評価されたことだけである。うまくいっているものは、そのまま残せばいい、という考え方です。

産業革命が、インドのまねをすることから始まったからです。

ラッダイト運動・・・・・これは産業革命に対する一種の反動で、機械その他の工場財産を破壊し、それを威嚇の手段として労働条件の改善を求める運動でした。

クリミア戦争は近代戦の幕開けともいわれており、ジャーナリズムに煽られた世論が戦争を引き起こし、また勝敗を決したのは戦場鉄道でした(物量戦)。

民族自決・・・・・それぞれの民族は政治的に独立し、みずからの政府を持つ権利を有するという原則です。

スターリンはヒトラーに勝るとも劣らない残酷な人柄でしたが、ビジネス感覚はすぐれていました。イデオロギーより利益優先の人でした。

勝てそうな戦争には後から参加する、負けそうになったら早めに降りる。イタリアは、伝統的にこのあたりのセンスが抜群です。

 

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