フォト
無料ブログはココログ

amazon

政治

2017年7月17日 (月)

兵本達吉『日本共産党の戦後秘史』新潮文庫

日本共産党は、そのコミンテルンの「日本支部」にすぎなかったということを改めてしっかりと押さえておく必要がある。

「二七年テーゼ」は、のちにスターリンに粛清されたブハーリンが作成したものである。ブハーリンが失脚すると、オットー・クーシネンによって書き直された。これが「三二年テーゼ」といわれるものであり、戦前の日本共産党の指導方針となった。

戦前の共産党は、その活動の全体を「ソ連邦の擁護」と「支那革命の支援」に費やしていたといっても過言ではない。

日本共産党はレーニンが定めたコミンテルン加入の二十一ヵ条にしたがって創立された党であって、民主集中制という軍隊的な規律をいまだに厳守している、発達した資本主義国では珍しい党である。

ソ連が崩壊すると、宮本顕治は「双手をあげて賛成」などと全く意味不明の発言をして国民の失笑をかい、不破哲三は「ソ連は社会主義ではなかった」などと主張しはじめ、その人間としての限界を超えた破廉恥さで世間を驚かせた。

共産党が支配する「プロレタリアートの独裁」の国に一かけらの民主主義も存在しないことは、今や明白である。

レーニンは、「革命の根本問題は、権力の問題である」と繰り返し書いている。

「三二年テーゼ」・・・・・その当時の日本の国家権力を、地主と資本家の支配とともに、さらにその上に君臨する絶対的天皇制であると規定し、これの革命的打倒を呼び掛けた。

「天皇制」という言葉は日本語になく、コミンテルンのつくった左翼用語であることを覚えておく必要がある。

日本共産党は、戦前は「天皇制」を、戦後は「アメリカ帝国主義」を革命の「対象」として位置づけていた。

明治憲法が制定された直後の皇室は、まったくの貧乏所帯で殆ど財産らしきものを持たなかったので、・・・・・

もともとマルクス・レーニン主義というのは、暴力革命の理論である。

敵から手に入れた武器で敵を攻撃するというのは、万国共通の共産主義者の原則なのである。

レーニンの論文には、「児戯に類する」という言葉がよく出てくる・・・・・

ロシアの有名な革命詩人マヤコフスキーの作品に、「会議をやめるための会議を開こう」という古い党員なら誰でも知っている詩がある。

レーニンは、1920年に定めた「コミンテルン加入の21カ条」の14項で、「全ての国の共産党は、不可避的に党に入り込んでくる小ブルジョワ分子を党から系統的に清掃するため、党組織の人的構成の定期的粛清をおこなわなければならない」と定めた。

我が国の最も〝偉大〟なマルクス主義知識人である石堂清倫は、・・・・・

マルクスが「発見」した「法則」を日本の歴史的現実に「あてはめた」(適用した)ものが、日本共産党綱領である。

マルクスもレーニンも、最大の暴力である戦争を否定したことは一度もない。

東欧の共産主義国の崩壊は、「情報の公開」が原因であると言われる。

マルクスもレーニンも、「理論で世界を変えることはできない」と繰り返し述べ、大衆が社会の矛盾を知るのは、決して書物や論文によってではなく、実生活から学ぶのであると語っている。

日本共産党の査問というのは、初めから結論が出ているのである。

宮本の形式主義は、人物にも及ぶ。日本共産党のトップは、東大でなければならない。

社会主義者というものは、経済とか財政というものを理解できない。とりわけ、資本主義経済のメカニズムを理解することができない。

我が国には、残念ながら、カントもヘーゲルもいなかったし・・・・・。ところが、マルクス主義を勉強すると、これらの人たちの学説が全て入っていて、哲学も、歴史学も、経済学も、社会学も皆ワンセットで学ぶことができたのである。マルクス主義は、全体として社会科学をのものとして受けとめられた。我が国の勉強の好きな大学生が、とくに革命を目指していたわけではないのにマルクス主義に引きつけられた最大の理由は、まさにここにある。

大久保潤・篠原章『沖縄の不都合な真実』新潮新書

辺野古区住民の多数派は移設容認派です。移設を地区再生のきっかけとして期待してきたのです。

沖縄には、自分たちの現状を変えたくないという、真の意味で保守的な社会集団が存在するということです。

辺野古には訓練の後に飲む店も遊ぶ場所もほとんどありません。

移設先が辺野古になった理由には、この地域は過疎化が進み、基地の誘致運動があったことがあります。

「カネを落とせば、沖縄はおさまる」。これが日本政府の沖縄政策の基本です。

沖縄の企業や行政は振興策依存で自立心が奪われ、沖縄社会は自然破壊や地域の分断といった副作用に苦しむのです。

基地がある沖縄の自治体はみな財政を基地に依存しています。

首都に米軍の飛行場があるのは世界で東京(横田)だけです。ワシントンにもありません。

「処分」という言葉には、琉球側が明治政府の度重なる「廃藩置県」の要求に応じなかったという懲罰的な意味がこめられています。

2016年6月26日 (日)

宇野重規『政治哲学的考察 リベラルとソーシャルの間』岩波書店

これまで欧州統合に最も積極的であり、統一欧州を可能なかぎり連邦制に近いものとして構想する傾向をもつのがドイツである。その代表的知識人は言うまでもなく、ユルゲン・ハーバーマスであり、「憲法愛国主義」を説くハーバーマスは、ヨーロッパ諸国民がその国境を越えて、新しい民主的な公共空間を建設することを主張し、将来的には「ヨーロッパの人民」から成る連邦制を視野に入れるべきであるとする。

イギリスの知識人の間には、フランス官僚制に対する根強い警戒感がある。イギリスとフランスの間には、コモン・ローとローマ法の伝統の違いに始まり、地方分権と中央集権、されには自治の重視と行政権の主導に至るまで、ぬぐいがたい政治文化の違いがある。

デモクラシーには、つねに両義性が存在する。デモクラシーとは、一方で諸個人の権利の実現であり、他方で集団的な自治・自律である。デモクラシーとはまさに、集団的な自治の実現を通じて、諸個人の権利のより良き保障を目指したものであり、両側面は不可分であるとされる。

2016年6月20日 (月)

佐藤優/聞き手・姜尚中『国家のエゴ』新潮新書

キリスト教で神様にあたるのは、父と子と聖霊です。この三者は全部、神様です。

神学論争は侃侃諤諤の末、理屈だけでは解決せずに、最後は必ず、政治が介入してきて一応の決着がつきます。俗にいう「大人の事情」、大人の解決方法です。

戦時国際法とは、戦争をしている国の間で守るべきルールを定めた交戦規則と、戦争をしている国と中立国との関係を定めた中立法規を合わせた呼び名です。

帝国主義国とは、国際社会において、自分たちで秩序をつくることができる強い国家のことを言います。

ペルシャ湾とオマーン湾を分けるのがホルムズ海峡です。海峡を挟んだ南側がオマーンで、対岸はイランです。

「イスラム国」は海軍を持っていませんから、機雷を仕掛けることはできません。どうも政府の答弁を見ていると、イランが機雷を仕掛けると考えているようです。

一色清他『日本の大問題「10年後」を考える―「本と新聞の大学」講義録』集英社新書

マックス・ウェーバーは1919年に行った「職業としての政治」という有名な講演の最後に、「10年後に会いましょう」というような言葉を学生に投げかけています。

私が1979年にドイツにいた時は「ベルリンの壁は1000年続く」と西側のドイツ人は言っていたわけです。

フランスで出生率が上昇しているのは、間違いなく婚外子を認めていることが一因となっています。しかし、これを日本に適用しようとすれば、戸籍制度の問題と必ずぶつかります。

特定秘密保護法は、治安維持法のように日本国内の政治運動を弾圧することを目的とした法律ではありません。特定秘密保護法により近いのは、1937年に抜本改正された軍機保護法です。これは、軍事の技術面の情報を保全するための法律です。それから1941年に成立した国防保安法。これはようするに、日本が戦争をするつもりがあるのかどうか、そうした国家の意思を隠すための法律です。

特定秘密保護法は、ようするにスパイ防止法と言えるでしょう。

2016年5月27日 (金)

G・ナポリターノ他『イタリア共産党との対話』岩波新書

グラムシほどりっぱに労働者階級の革命的役割についての建設的なヴィジョンを言い表した人はいないのです。

レーニンは、農民がもはやかれについてくる気がなくなっていることがわかったとき、政策をかえました。なぜならば、大きな同盟がなくては、前進できないことを知っていたからです。

「レーニン主義」というこの言葉は、ジノヴィエフによってつくられ、ついてスターリンによってとりあげられたのです。

立花隆『日本共産党の研究[三]』講談社文庫

自らを反革命陰謀の首謀者と告白して処刑された一人であるブハーリンは、・・・

スターリンならびに彼に指導されたコミンテルン指導部は、一貫してファシズムを過小評価してきた。三二年テーゼが、「迫り来るファシズム」を実体がない「幽霊」と評価して、ファシズムより主要な脅威は資本主義を左から支えている反革命、社会民主主義者であるとしていたことでもそれはわかろう。

共産党の党史で多用される述語は、「-の宣伝をおこなった」「-と主張した」「-をあきらかにした」「-と呼びかけた」といったものである。要するに、共産党が何をしたかではなく、何を語ったかが主なのである。

網走というのは農園刑務所と言いましてね、農作物を作る刑務所なんですよ。

2016年5月25日 (水)

立花隆『日本共産党の研究[二]』講談社文庫

マルクス主義の理論は一見おどろおどろしいようだが、実は単純な二分法概念の組合せの上に構築されているからきわめて図式的である。したがって、頭が単純な人にはきわめて入りやすい。

マルクス主義が二分法概念から逃れられないのは、その基礎に、弁証法を置いているからである。

二分法概念はマルクス主義の強さであると同時に弱さである。その弱さは、中間項をうまくハンドリングできないことにあらわれる。

何よりもまず天皇制を倒せというのが三十二年テーゼのエッセンスである。

党員たちが自分の頭で考え、自分のことばをしゃべる政治集団にならないかぎり、共産党はいつまた昨日までとはまったくちがうことを、明日から主張しはじめるかもしれない政治集団であるというのが、歴史の教えるところである。

トロツキーにしろ、ブハーリンにしろ、あるいは死後のスターリンにしろ、いったん権力の座からころげ落ちると、過去にさかのぼってその男がいかにひどい男であったかということが徹底的にバクロ・キャンペーンされる。

共産党に民主集中制という組織原則が・・・

責任はまず主体性においてあるというのが責任論のイロハである。

「マルクス主義は闘争形態を選ばない」としたレーニンのように、基本的にはすべてが許されていると考える者がある。

「八項規律十大注意」として有名な厳重な規律を紅軍に守らせた毛沢東のような指導者もいる。

戦後の共産党の二段階革命論は、戦前の天皇制に代えて、アメリカ帝国主義を持ってくる。

ソビエト同盟は、世界のプロレタリアートの祖国だからである。

ロシア民族の英雄崇拝的映画、エイゼンシュテインの「イワン雷帝」

野坂参三がアメリカ経由の地下ルートで日本に送り込んだ「日本の共産主義者へのてがみ」(1936・2・10)は、日本の人民戦線史上、最も有名な歴史的文書であるが、・・・

政治の論理は、詮ずるところ、「お前の敵は殺せ」というにあると埴谷雄高は喝破したが、・・・

マルクス主義とは単なる経済学上の理論ではなく、理論と実践を不可分のものとするところに、その思想としての真骨頂があり、・・・

マルクス主義は正しいという信念と、実践運動からは手を引くという決意は、マルクス主義の論理においては両立しがたいものである。

福本イズムを契機として、労農派が分離してからは、共産党系インテリの観念主義的傾向はますます深まった。

同じ宗教の中でも、自力救済をいっさい否定する点において、親鸞の教えはマルクス主義とは大局的な立場に立つ。

2016年5月10日 (火)

宮田光雄『現代日本の民主主義―制度をつくる精神―』岩波新書

1788年の合衆国憲法は、現存の各国憲法のなかでも、もっとも徹底した権力分立の形式を採用している。

信教の自由を保障する新憲法20条の規定が、「思想及び言論の自由」(19条)と「集会・結社及び言論・出版その他一切の表現の自由」(21条)にはさまれて、その真中に位置づけられているのは、まことに象徴的である。

19世紀いごのナショナリズムの問題をめぐっては、たとえば、F・マイネッケのいわゆる《文化国民》と《政治国民》という有名な区別がよく知られている。

ホー・チ・ミンの《十二の勧告》が、ベトナム戦争における民族独立革命の民衆的闘争の精神的基盤をなしていることも・・・

ガンジーやマーティン・ルーサー・キングのストラテジーの特徴は、さし当り理性的に訴えかけえない民衆グループを非暴力行動の強制手段によってのみならず、なかんずく彼らの感情に訴えることによって、その態度を変えるように働きかけることであった。

2015年11月 4日 (水)

福田歓一『近代の政治思想 -その現実的・理論的諸前提-』岩波新書

人類の歴史のなかで、ヨーロッパの近代がもった意味は、とてつもなく大きいものでありまして・・・

フランス革命はその激しさと、世界史的意味とにおいて、まさにその頂点を示すものであります。

王様は人間の上にいる、しかし法の下にいる

イギリスのマグナ・カルタに代表されるような成文憲法が現われる

アメリカの植民地では、サルトルが『サレムの魔女』で描きましたような、たいへんな異端の迫害をやっているのであります。

「国際法の父」と言われているグロチウス

カントの認識理論はたいしたものにはちがいないのですが、しかし実践哲学の領域では、労働という観点はすっぽり抜けおちてしまっているからであります。

どこまでも預けた人間の利益のために運用するのが信託を受けた人間の義務であります。

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック