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政治

2019年12月 8日 (日)

苅部直『丸山眞男ーリベラリストの肖像』岩波新書

いわく西洋近代の愚直な賛美者、いわく大衆から遊離した啓蒙家、いわく国民国家の幻像にしがみつく隠れナショナリスト。右側からは冷戦時代に共産勢力に迎合した学者先生と叩かれ、左側からはラディカルにつき進もうとしない保守性を糾弾される。

宣長は、儒学、とりわけ朱子学の倫理を、理窟によって人の「真心」を束縛しようとする、中国風の「漢意」の所産と見なし、それは支配者が、高邁な理想を掲げ人々を手なずけるためにこしられたものにすぎないと批判した。

絶対の正義は存在しない。しかし人は執念を持つものだ、それによって動くのだ、それがどんなにイリュージョンであっても、イリュージョンの方が現実よりも強い。

「最も意地の悪い」しうちを加えてきたのは、陸軍兵志願者訓練所で徹底した「皇民化」教育をうけて入営した、朝鮮人の一等兵だったと丸山は回想している。

カイヤットの映画の医師のように、たとえ自分では良心をもって接していると思っていても、植民地支配をうけている「現地民」からすれば、しょせん、憎むべき支配者の一員にすぎない。

私はあなたのいうことに賛成派しないが、あなたがそれをいう権利は死んでも擁護しよう(ヴォルテール)。

真の政治理論は必ず性悪説をとる。

宗教信仰までもが、国家や政治党派、あるいは営利団体による操作の対象となっている時代が、丸山の言う「現代」にほかならない。

2019年3月 1日 (金)

白井聡『戦後政治を終わらせる 永続敗戦の、その先へ』NHK出版新書

サンフランシスコ講和条約は、日米安保条約と不可分のワンセットで結ばれたものだからです。

ソフトランディングとは、日本国民が自らの手で必要な改革を成し遂げ、社会と政治を変化させることです。

前線と最前線との違いです。つまり、冷戦下の日本は、アメリカによって、アジアにおける冷戦の自由主義陣営の前線基地として位置づけられましたが、しかし最前線ではなかった。

五十五年体制とは、いわば、勝者と敗者があらかじめ決まっていて、敗者の側にも一定の見せ場が用意されたプロレスのようなものだった。

自民党は「親米保守」の政党です。

小選挙区制には、少数意見が反映されない、死に票も多いという欠点があるため、・・・

レーガノミクスの面白いところは、国家が財政赤字に陥っているとき、普通なら増税を考えるところを、減税すべきだとしたところです。

護送船団方式、、、、、端的に言うと、国家による指導の側面が非常に強い資本主義です。

新自由主義の特徴としては、公営事業の民営化、資本移動の自由化、福祉の削減、こういったことが共通点として挙げられます。

身分が生まれながらにして決まっているものであるのに対し、階級は可変的で、原則的には階級間移動も可能です。

西部邁『保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱』講談社現代新書

日露戦争の勝利によって「関税自主権」を獲得したことについて・・・・・

ナショナリズムを指してショーヴィニズム(排外主義)と難じることは許されない。

代議制あるいは議会制民主主義の本質はトレランス(忍耐と寛容)の精神にある。つまり、多数派にあってみずからの意見が間違っているかもしれないと構える忍耐力があり、したがって少数派の意見にも耳傾けるべき場合があるかもしれないとの寛容力を持ちつづける点にある。

二世・三世議員を世襲制だとして非難するのはかならずしも妥当ではない。代議士たるものは議会における妥協や決断についての経験を必要とするのであって、そうした力量は若いときから政治家の振る舞い方を身近に学ぶことを通じて鍛えられる。

社会の権力がひとたびマスの手に渡ったら、事実上、その社会を救済することは不可能である(オルテガ)。

独裁制は民衆の歓呼と投票から生れることが少なくない。

裁判を言語ゲームの形式とみなしてその言語活動が形式において優れているなら勝利者となる、というのが英国に伝来の形式主義だ。

「国民の総意」は、現在世代の国民の世論なんかではなく、歴史上の総世代の伝え残せし「伝統の精神」を意味する、と解釈すべきだという一点である。

世論ではなく輿論、それこそが投票の基礎であるべきだということである。なぜといって輿論とは国民の有する(というより死者たちの残した)常識のことなのだから。

慣習と伝統の違いである。慣習は単に過去からの制度的な遺制のことにすぎないが、伝統はそれとは違って過去から伝えられし(慣習の中心あたりに内蔵されているはずの)徳義の規準のことで、・・・・・

釈迦にも孔子にもソクラテスにも学校なんかなかった、・・・・・

2018年10月 4日 (木)

宇佐美典也『逃げられない世代 日本型「先送り」システムの限界』新潮新書

制度の安定というものが全てのビジネス・生活の根本となっていることを痛感しました。

「改革」というのは制度を急速に政府の都合で変えてしまう、国民の生活を破壊しかねない行動です。

政治家個人は「国家百年の計」を考えたくとも、目先の票の確保のためにはそれが許されないのが日本の衆議院という場です。

日本では政権・与党が「事前審査制」と呼ばれる野党にまったく政策立案に関与させないような仕組みを整備しているからです。

団塊の世代の人数が非常に多いのは当時中絶が法律で認められていなかったことが原因で、1949年に優生保護法(当時)が改正されて中絶が認められるようになると急速にベビーブームは収束していきます。

医療保険や介護保険は基本的には皆さんが毎月納める社会保険料がそのままその年度内に高齢者を中心とする制度利用者に給付される仕組みとなっています。

低金利になった理由は単純で、日銀が低金利で国債を大量購入したからです。

ホルムズ海峡とマラッカ海峡が封鎖されれば日本経済は1ヶ月で破綻します。

2018年8月 7日 (火)

松田馨『残念な政治かを選ばない技術 「選挙リテラシー」入門』光文社新書

政治家は伝えるのが下手なだけ、有権者は政策に詳しくないだけ。

市町村議会議員選挙は大選挙区制で行われます。

政令指定都市の市長は、この都道府県知事とほぼ同じ権力をもつ首長であることも覚えておいてください。

中選挙区制には、政権交代が起こりにくいという欠点がありました。

小選挙区制の欠点は、小政党が圧倒的に不利なことです。

参院選の比例代表選挙は、全国を一つの選挙区として扱います。「この地域の候補者」という考え方がありません。

投票率が低いことのデメリットは、なんといっても「組織票で当落が決まりやすくなる」ということです。

田中角栄氏は、選挙に勝つためには「戸別訪問3万軒、辻説法(演説)5万回」が必要だといっていたそうです。

政治や選挙はまだまだメンツの世界です。故・田中角栄氏は「世の中は、嫉妬とソロバン(損得)」とおっしゃったそうですが、・・・

2018年2月 5日 (月)

エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』文春新書

ロシアの力は基本的に防衛的なものだ。

ロシアは世界がバランスを保つことに役立つ強国なのさ。

EUはもともと、ソ連に対抗して生まれた。

フィンランドはというと、ソ連と共に生きることを学んだ国であり、・・・

ドイツはもともとはユーロの話など聞きたくもないというふうだったのです。

アングロサクソンの世界では個人の自由が人びとの体に染みついています。しかし大陸ヨーロッパには、政治的権威と官僚化の表れが存在します。

ナチズムが現れる前にドイツがヨーロッパにもたらしたもの、宗教改革と大衆の識字化が一番に挙げられるでしょうが、・・・

2017年10月16日 (月)

別冊宝島115号『天下国家の語り方 日本と世界、政治と経済をめぐる「神話」の検証!』JICC出版局

西欧は世紀勘定だから、百年単位で自然科学的な時間の区切り方をする。ところが、日本の元号の場合は、歴史を人間の時間感覚で区切ってる。

民主主義は、少数意見を尊重するようにできている。

民主主義の強みは、政治にかかわる人びとのあいだに、一切の差別をもうけていない点である。

小選挙区制度には、少数派を多数派にすり替えてしまうトリックが隠されているのです。

アメリカが世界に誇る最強の学問である理論経済学あるいは経済政策学・・・

革命は必ず独裁を生み、反動を呼ぶ。

フランス革命は、なによりもまずカトリックとの戦いであった。

筆坂秀世『日本共産党』新潮新書

日本共産党中央委員会理論政治誌と位置づけられている『前衛』は、・・・

現在ある日本の主な政党のなかで、唯一戦前生まれの政党が日本共産党である。

日本共産党のことを「代々木」という言い方を・・・

指導機関のなかで独自に事務所を構え、党から給与を受け取って活動する常勤者を置いているのは、地区委員会までである。

「幹部」という言葉は、単なる表現ではなく、共産党という組織の本質にかかわる問題だからである。

日本の政党のなかで、企業献金も、政党助成金も受け取っていないのは日本共産党だけだ。

日本共産党の組織原則である「民主集中制」(民主主義的中央集権制)は、・・・

党全体を日常的に指導し、動かしているのが常任幹部会である。

共産党は国会議員よりも秘書の方が偉い。

金正日が、拉致を「特殊機関の一部の妄動主義、英雄主義による犯行」と語ったのは、みずからの責任は回避し、特殊機関にだけその責任を押し付けようとするものであった。

日本共産党には、「侵略戦争に反対した唯一の政党」という誇るべき歴史がある。

2017年9月11日 (月)

薬師寺仁志『ポピュリズム 世界を覆い尽くす「魔物」の正体』新潮新書

『ワシントン・ポスト』紙が共和党寄りであれ、・・・

近代的な意味での国民主権や人民主権は、フランスで生まれた統治原理なのである。

プラトンが批判したのは、この何でもありの人民主権であった。

ポピュリストの真似をして、事態を単純化してはならない。それよりも、事態を深く知ることが肝要なのだ。

現代のポピュリストたちは、批判を浴びれば浴びるほど、人民の敵たるエリート層との闘いを演出し易くなる。

全体主義を産み出したのは、民主的な手続きなのである。

どのような国でも、誰かが最も単純で最も賃金の低い労働を担わなければならない。問題は、そうした人々が社会に必要な人間として尊重されるか否かという点にある。

いわゆる〈極右〉勢力は、国籍取得に関して、出生地主義を血統主義に変更することを強く訴えている。国民戦線のルペン氏こそ、その典型なのである。

ポピュリズムは、議会制民主主義の破壊でもある。

ポピュリズムが人々の心を蝕んでしまうと、民主政治は終わる。

2017年8月10日 (木)

小熊英二『社会を変えるには』講談社現代新書

1965年から1993年、だいたい「東京オリンピックからバブル崩壊まで」が、日本が工業中心の「ものづくりの国」だった時代といえます。

大型道路を作れば作るほど、幹線沿いに大型郊外店が建ち、都市へ人は出て行って、かえって地方の衰退が進みました。

フランスは核兵器によるアメリカからの自立に熱意があるので、採算を度外視しても、原発とプルトニウム抽出は進める路線を続けています。

ドイツ、イタリア、スイスなど、核兵器を持たない国は、すでに原発からの撤退を決めました。

災害がおきると、弱っていた産業の衰退が一気に進む・・・・・

災害がおきるとその社会が抱えていた問題が露呈するというのも、原発事故にあてはまります。

韓国やロシアのように国営公社が原発を作る・・・・・

原発のコストは、じつは大部分が安全コストです。

ライフスタイルとライフサイクルが均質化したのが、工業化社会の特徴です。

1960年代のアメリカの女性運動は、郊外の住宅に住んで生活に不自由はないけど、心の空しさを抱えているという専業主婦の悩みを書いた本から、大きく広がりました。

日本共産党は、文芸評論家が党のトップになったという、世界でも珍しい党でした。

1955年に始まった「春闘」は、・・・・・

「セクト」というのは、もともとカトリックに対抗して分裂したプロテスタント諸派の教団のことです。

全学連は共同体の集まり、全共闘は「自由な個人」の集まり

もともとセクトはマルクス主義の党派ですから、・・・・・

社会運動があるテーマで広がるときには、そのテーマが社会のなかで構造的にたまっている不満や感情の表現手段になった場合です。

女性や子どもに参政権がなかったのは、一家の意見は家長に代表される、という考え方があったからです。

日経平均株価が一般新聞の経済面以外に載りはじめたのは、1990年代末になってからです。

『往生要集』によると、八大地獄の一つである「集熱地獄」に落ちれば、人間界の時間でいえば五京四五六八兆九六〇〇億年は転生できないそうです。

聖書の俗語訳が印刷されたことは、異端の続出という事態を招きました。

『古事記』で大和王朝の領土とされている「大八洲」には、北海道も沖縄も入っていません。

快楽計算という考え方は、プラトンが『国家』に書いていたものです。

日本でも警察が外国人登録証の形態義務違反を厳しく検挙する方針をとれば、いきなり外国人の犯罪件数が増えたりします。

マルクスが人間の関係という場合の第一は、生産関係です。

19世紀のドイツでは、近代化の反動からロマン主義が台頭し、共同体へ帰れ、自然に帰れ、といった運動がありました。

ギデンズはマルクスにも影響を受けています。

ウェールズのように「パブリック・セクター」が雇用の三分の一という社会もありますが、・・・・・

世界のどこでも、移民排斥などを掲げるポピュリズムが台頭しています。インドのような「先進国」とは分類されない国でも、90年代以降の経済自由化とともに、急激にイスラム教徒排撃を唱えるヒンドゥー右派が台頭しました。

プラトンの『国家』によれば、国家のなかで役割や居場所を失った人が、既得権批判を掲げる僭主を支持します。

権力者が広めた文化が主導的立場を築いていることを「ヘゲモニー」といいますが、・・・・・

マルクス自身は、自分はマルクス主義者ではない、と言っていたのは有名です。

べ平連三原則

  • やりたいことをやれ
  • 言い出したら自分でやれ
  • 他人の批判はするな(それなら自分でやれ)

デモで歩いたら、隣の人と話さないのは損です。

アダム・スミスは、人間の能力に大差はなく、分業の結果として役割や職業ができるにすぎないと論じました。

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